QuicktimeVRよりもさらにすごいのがこれ。ベクトルイメージをぐるぐるまわせるツールがXVL。shad6spiritsを使った例と注意点等を紹介します。実際にXVLを体験したい方はV.XVL.Galleryへどうぞ【2003.05.12】
- XVL Viewerの使い方
- XVLファイルとファイルサイズ
- shade回転体の変換と材質、画像マッピングについて
- クルマ1台をXVLにすると?
- XVLファイルをHTMLに埋め込む方法
- ブラウザによる確認結果
XVL Viewerの使い方
XVL Viewer3.0以上を使っている場合はツールバーが上部に現れると思いますが、同様の内容が右クリックで現れます(左の画像)。上から見え方の切り換え、視点、表示設定が行えます。
ここでは見栄えと操作速度に影響のある部分を解説します。
・ポリゴン分割数:デフォルトでは4。レカロシートの例では6を指定済み。この分割数が大きいとより細かくモデルを表現するため精密になりますが、一方動作は重たくなります。逆に分割数が小さければモデルが荒くなりますが動作は軽快に。
・ポリゴン分割許容誤差:数値が小さいほど元データに精密なポリゴンを形成。つまりより細かく精密に表現するためきれいだけど重くなる。一方数値が大きくなるとその許容範囲内で面の削減が行われるためモデルが荒くなって動作は軽快に。
以上2点を変えてみるとモデルの見栄えがかなり変わります。お試しあれ。
またツールバーで回転、移動、ズーム等が可能ですが、キーが割り当てられています。これを知っていると便利。
回転:Xキーを押しながらドラッグ
移動 :Zキーを押しながらドラッグ
ズーム :Aキーを押しながらドラッグ
拡大 :Vキーを押して拡大したいエリアを指定
フィット:スペースキーを押すと画面中央にフィットします
XVLファイルとファイルサイズ
トゥデイ・タイプRのモデリング時に作ったレカロシート。shadeでは疑似ブーリアンモデリングによって立体の足し算引き算などをモデル上では実行せずにレンダリング結果だけに反映する手法を使っています。XVL書き出すときには疑似ブーリアンは使えないのでブール演算(ブーリアンモデリング)を使ってモデル化するか、それ相応の手法が必要となります。
いろいろやってみるとブール演算をやってしまうと接点数が膨大になるためファイルサイズが極端に大きくなります。
ブーリアンモデルの場合(左のモデル):108kbyte
そこでなるべくブール演算を使わずに、見栄え重視で軽いファイルを作ることを目指しました。わざわざブール演算しなくとも見た目がよければOKということで、本来シートベルトの穴をくり抜いた部分と"RECARO"のロゴを貼り付けた部分にブール演算を使いましたがここを省略。
ブール演算を使わずして文字を張り込むためには左下図のように「閉じた線形状」だけで文字が表現できるように一筆書きに変更。(通常はRやA、Oなどの中抜きが必要なので黄色の部分をブール演算で抜く:左上図)
さらにシート表面に張り込んであるかのようにシート面ぎりぎりに掃引体を置く。(モデル上では単なる立体が重なっている状態です。ちょっとだけシート表面より浮かせることで見た目OKです。)
以上でモデルの簡略化が終了。エクスポートからXVLフォーマットを選択し、各種設定はデフォルトで書き出す。(面の分割”荒い”となってますがこれを細かくしようとしても落ちてしまいました。)これでブーリアンモデルから約1/2のサイズダウンに成功です。左図はshadeでレイトレーシングした結果です。画面をクリックするとXVLのデータが閲覧できます。
モデル簡略化後のファイルサイズ:52kbyte (ポリゴン数:502)
shade回転体の変換と材質、画像マッピングについて
タイヤが左図(XVL Viewrerの画面)のようにスケールが異なって出力されることがありました。これはshadeのソリッド要素”回転体”をXVLファイルに出力した場合に起こる問題のようです。回転体で作製したタイヤとホイールリム部が対策手法としては回転体を変換し、自由曲面に変更することで正常に書き出されます。(ローカル座標系の不具合でしょうか。中央のハブ部分も回転体ですが、正常でした。)
材質でメッキ部品などメタリックや環境反射を設定したものはベースの色で出力されるようです。左図のブレーキディスクがその例です。今回は金属表現ができないため、グレーの色をあてなおしました。
こちらがshade元ファイルをレイトレーシングした結果です。また画像マッピングについても注意が必要です。左図では"brembo"のロゴをブラックキーマスク(黒色の部分に上位階層の材質を張り込む手法)を使って画像を張り込んでいます。これが上のXVLデータでは元画像がそのまま現れます。(shade6のブラックキーマスク、ホワイトキーマスクなどがXVLファイルとしては対応してません。)画面をクリックするとXVLのデータが閲覧できます。
タイヤのモデルファイル:76kbyte(ポリゴン数:668)
クルマ1台をXVLにすると?
せっかく3Dモデリングしたならグルグル回してみたいと思いますよね。というわけで、上記注意を加えてクルマ1台をXVLにしてみました。元ファイルが14Mbyteあったモデルからモールや内装のあんまり見えない部分、重なっていた部材等をどんどん削除して、ブール演算も最小限に活用。ライトの表現にshadeではかなり気を使いましたが、そのあたりもほぼカバーだけにしました。
左下図が削減したモデルをレンダリングした結果です。ナンバーのtypeRのロゴがずれていますが、回転体のトラブルと同様にマッピングした画像が若干ずれるためXVLファイルで正常な位置になるように修正した結果です。(画像の位置も問題ないモデルもありました。)
モデルの削減にはかなり時間がかかりました。XVL出力も不安定で何度も落ちるし。内装も残してなんとか形になりました。最終的には1.2Mbyteです。元データから考えれば1/10です。
画面をクリックするとXVLのデータが閲覧できます。
topen typeRのモデル
モデル削減前shadeファイル:13Mbyte
モデル削減shadeファイル:8.9Mbyte
XVLファイル:1.2Mbyte(ポリゴン数:17599)
XVLファイルをHTMLに埋め込む方法
XVL Viewerを使ったHTML記述方法
<BODY>
<OBJECT idID="CLSID:C0975880-11DF-11D5-8084-0040B4116A31" WIDTH=100% HEIGHT=100%>
<PARAM NAME="FileName" VALUE="vfxvl/recaro.xv3"> ←XVLファイル名指定
<PARAM NAME="Behavior" VALUE="viewer"> ←動作モード:ビューアー
<PARAM NAME="DrawBack" VALUE="on"> ←裏面の表示:する
<PARAM NAME="DivNum" VALUE="6"> ←ポリゴン分割数の指定:6分割
<PARAM NAME="BgColor" VALUE="#000000"> ←背景色指定:黒
</BODY>
<EMBED
TYPE="application/x-xvlviewer" ←MIMEタイプ(必須)
SRC="vfxvl/recaro.xv3" ←XVLファイル名(必須)
WIDTH="80%" ←表示画面の幅(必須)
HEIGHT="80%" ←表示画面の高さ(必須)
DivNum="6" ←各オプション指定(ポリゴン分割数)
BgColor="#000000" ←各オプション指定(背景色)
>
</OBJECT>
XVLファイルの指定と各種パラメータの設定内容を<BODY>タグ内に定義。
パラメータ内容はXVLサポートページを参照ください。
WEBページに張り込みたい位置に<EMBED>タグにより定義する。
ブラウザとプラグインによる対応状況
t-kondoの使用環境
ソフト:shade6spirits REV20
ハード:Power Macintosh G4 867MHz
メモリ:1Gbyte
ブラウザ | XVL Viewer 2.0 | XVL Viewer 3.1 |
---|---|---|
InternetExplorer 5.2.2 | OS10.2でOK | OS10.2でOK |
InternetExplorer 5.0 | - | OS9.2でOK (ただしブラウザのメモリを160Mbte割り当て) |
Netscape 6.2 | OS10.2でOK | OS10.2でOK |
Safari V1.2(V125.1) | OS10.2でOK | OS10.2でOK |
Ver3.0がうまく動作しないという報告【2003.04.06】をしておりましたが、ラティス・テクノロジーから
回答がきました。プラグインのインストール先が間違っていましたので報告します。
Mac OS-XではInternet Plug-Insフォルダが二つ存在します。
1."起動ディスク名:Library:Internet Plug-Ins:"
2."起動ディスク名:Users:ホームフォルダ名:Library:Internet Plug-Ins:"
正しいインストール先は1.です。2.ではうまく動作しません。ご注意ください。
現在V.FactoryではVer3.1で確認しています。ツールバー表示がVer3より加わって使いやすくなっています。Safari2.1でも動作確認済み【2004.04.14】