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CONTENTS

ターボ車の醍醐味であるブーストアップ。その仕組みと危険性について解説します。


1.ターボチャージャーの原理

左図がターボエンジンのシステムだ。ターボの基本原理はまずシリンダーからの排圧(排気ガスの圧力)によりターボチャージャーの排気側インペラーが回転されて吸気側を圧縮する。するとシリンダーには加圧された空気が入り込み、酸素の充填効率がアップする。ゆえに同排気量のNAエンジンと比べると圧縮空気を吸入する分だけ多く酸素を取り込むことができ、出力が向上する。
 次に過給圧制御について説明する。タービンが高回転で回転するほど過給圧は上昇する。これではすぐにエンジンブローしてしまう。そこでウェストゲートバルブが一定の過給圧になるとそれ以上あがらないようにしているのだ。左図にあるアクチュエータによって設定過給圧に達するとダイヤフラムが動きだしロッドを押してウェストゲートバルブを開く。すると排圧は排気側インペラーを通らずにバイパスされるので過給できなくなるわけだ。



2.ブーストアップの原理

ではブーストアップの原理について解説する。ウェストゲートバルブが過給圧を制御していることは先に説明した。ブーストアップつまり過給圧をあげるためにはこいつに手を加えてあげればいいのだ。
 アクチュエーターはバキュームホースを通じてサージタンクの圧力が設定過給圧に達すると作動する。このアクチュエーターにかかる圧力を手前で逃がし、実際よりも低い圧力を与えてあげるとウェストゲートバルブの開くタイミングが遅れる。つまり過給圧は設定過給より高くなるわけだ。これを細かく調整できるようにしたのがブーストコントローラーだ。
※ブーストコントローラーを使えばお手軽にパワーアップが可能なことは明解だ。しかし、ノーマル状態で過給圧だけあげてしまうと燃料が薄くなり燃焼温度があがってしまう。その果てはエンジンブローということになる。この危険性を十分考慮してほしい。


3.ブーストアップへの道 〜自分のクルマのノーマル状態を把握する〜

【追加メータを装着する】必要最低限のメーターとは?
@ ブーストメーター:必須!
 マフラーやエアクリーナーを交換したことでノーマルの過給圧よりあがっていることもある。自分の今のクルマがどのくらいの過給圧なのかを把握するのが重要だ。
A 排気温度計:必須!
 これは燃焼の状態を把握する上で重要となるパラメーターだ。温度センサーは通常タービンよりもシリンダー側に装着する。エキパイに取り付けるのが一般的だ。それができない場合はマフラーのフロントパイプでも可能。ただし、タービンの後では温度が100度近く下がっているのでそれを考慮に入れよう。
 燃料が薄いと燃焼温度が上昇する。850度を超えると危険だ。エンジンブローを未然に防ぐためのアイテムでもある。
B 空燃費計:あればなお良い
 理論空燃費14.7:1という状態から現在の燃料がリッチなのか、リーンなのかどの程度噴射されているかを見ることが可能。バーグラフやデジタル表示のものが多い。


4.ブーストアップへの道 〜燃調とは?〜

ブーストアップを行うと吸入吸気量の増加にともなって、燃料の増加が必要となる。そこで以下のような燃調の補正できるようなシステムが必要となる。

【燃調の種類】
@ サブ・コンピューター
 FIELD技研のSFCなどのサブコン。これは吸気管圧力センサーの信号を取り込み、出力電圧を調整可能とし、フューエルインジェクションコンピューターからの燃料噴射量をノーマルよりも多く噴射させるようにしたもの。
A フル・コンピューター
 インジェクションコンピューターのロムを交換し、燃調マップに変更を加えそのクルマの仕様にあった噴射量を決めたもの。


5.ブーストアップへの道 〜ブーストアップ〜

さて、燃調のシステムもそろえばこれでブーストアップが可能となる。先に述べたようにブーストをあげるためにはアクチュエータにかかる圧力を制御する必要がある。これを細かく調整できるようにしたのがVVC(機械式)やEVC(電気式)などと呼ばれるブーストコントローラーだ。

【ブーストコントローラーの種類】
@ VVC(機械式ブーストコントローラー)
 エアツールなどでも使用されるバルブ開度を調節可能としたもの。アクチュエーターのバキュームホースにつなぎ、VVCによって圧力を外へ逃がしてやるタイプ。その開度を大きくすればアクチュエーターにかかる圧力が減り設定過給圧があがる。ただし、室内までバキュームホースをひくとレスポンスがわるくなるので注意。

A EVC(HKSの電気式ブーストコントローラー)
 ステッピングモーターにより設定圧力になるようにフィードバック制御をかけたすぐれもの。機械式と比べてブーストのかかるレスポンスが全く異なる。なぜかというと設定過給圧までウェストゲートバルブにかかる圧力を絶っているので過給途中でのウェストゲートバルブが開くことによる過給の逃げがない。他にもBRITZのSBCやデータシステムのETCなどがある。


6.ブーストアップへの道 〜ブーストリミッター解除〜

ブーストアップを行ってもブーストリミッターが働いてしまうとそれ以上の過給はできなくなる。ブーストリミッターは燃料をカットしてしまうので頻繁にリミッターが効くようではエンジンにダメージを与えてしまう。その原理はどうなっているのか?
 左図はFIELD技研のSFC HYPERによるブーストリミッター解除の原理だ。ノーマルでは過給圧0.9kgf/cm^2でブーストリミッターが作動し、燃料をカットする。そこでSFC側の吸気管圧力センサーの出力信号を4.3Vから一定電圧として出力する。こうすることでブーストリミッターは解除することが可能。ただし、4.3Vに達したところで吸入空気量は一定という情報をコンピューターへ与えていることになるため、燃料はそれ以上増えない。サブコンでは大幅なブーストアップは危険である。別に追加インジェクターなどで対応する必要がある。


【参考データ:SFC-HYPERのブースト解除機能】
背面ディップスイッチ設定方法
解除電圧
4.4v ON ON
4.3vONON  
4.2v ONONON
4.1vON   
4.0vON  ON
3.9vON ON